移民達の語学学校(1)
 
97.07.11

オーストラリアは治安や気候のいいせいもあって日本からの語学留学生が随分と勉強に来ています。ここパースでもワーキングホリディで訪れている若者達を初め多くの日本人をあちこちで見かけます。私立を含めたくさんの語学学校がありますが、現在僕が通っているのは、移民を相手とした政府(たぶん西オーストラリア州政府)運営している語学学校です。

移住とか移民とかという言葉は日本にいるとどこか遠い世界の話のように聞こえるものですが、オーストラリアは世界でも名高い移民の国で現在でもたくさんの移民を世界中から迎えています。僕も一応永住ビザを取得して入国した「移民」なのでそれに付随したサービスを受ける権利があります。これはあくまでも権利なので、例えばその語学学校のサービスを受けようと思ったらただ待っているだけではだめで、こちらからちゃんと行動を起す必要があります。まず移民局に出向き学校の場所を教えてもらい、その学校のオフィスで面接の日を予約する、そして面接で僕の英語力を試された後クラスの決定へと進む。僕が感心したのはそこから先で、授業料はとらないというのがこの学校の原則。基本的には入国後三ヶ月以内にその学校に出向いたら無料ということだけど、二年を超えているような人もその期間を逃してしまった事情をきちんと説明したら認めてくれたと話していました。なぜ無料なのかという疑問がありますが、その答えのバックボーンには、移民は社会資本であるという考え方があるように思います。簡単に言えば労働力ということですが、つまりこの国で生活する為には仕事をしてもらわなければならない、そのためにはこの国の言葉をマスターしてもらう必要がある、だから学校で勉強して早く実社会にその経験なり技術を活かしてもらいたい、という政府の考えがあるように思います。実際移民の多くは母国で専門的な職業を持っていた人で、オーストラリアでそれがすぐに活かせない(もちろん言語の問題)ことにいらだちを感じる人もいます。

というわけで、その語学学校で勉強する移民は授業料を負担する必要はなく、CES(日本でいう職安)がその授業料を負担するという仕組みになっています。つまり僕ら移住したての移民にとって英語の勉強が当面の「仕事」だということです。ちゃんと勉強して仕事を見つけ社会に還元すること、そんな感じですか。非常に分かりやすい考え方で、日本の建て前本音社会で育ってきた僕にとって、そのシンプルな論理に感動さえ覚えました。何より移民といえどもこの国のれっきとしたメンバーだという姿勢が根底に感じられます。

合理的、フェアー、この国の社会の原理はその二つの言葉に代表されると思いました。