●2001年9月28日

「参戦表明」

長野県の田中知事が「日本は参戦を表明したようなものだ」と、このところの小泉首相の先走りを非難した。憲法論議も何もかもほったらかして、自衛隊が米軍の「護衛」ができるようにすると、訪米の際に首相がブッシュ大統領に伝えたというのだ。

政府はこれを機会にあれこれと屁理屈を述べ、なし崩し的に自衛隊の機能を拡大しようとしている。しかし、どんな理屈を付けようとも、今政府のやろうとしていることは集団的自衛権の行使に他ならない。これは参戦以外の何ものでもない。

時限立法にするとか何とか、姑息な言い方をしているが、これは明らかに憲法違反の法律となる。

いったん戦争が始まれば、そこには「戦闘地域」と「非戦闘地域」を区別する明確なラインはない。戦争をしに行く空母を護衛する自衛隊が「非戦闘員」だと敵に認識されるわけがない。そうなると、日本が国内向けにどう言を弄しても、他国にとって日本が参戦しているのは明らかだ。

他国とは、日本の参加に拍手を送るアメリカやその同盟国だけではない。アメリカにテロを送り込もうと画策している国や組織をも意味するのだ。

つまり日本は、自ら進んでテロの標的にならんとしているのだ。

「ええかっこ」をするということは、それに付随する「リスク」をも引き受けなければならない。今政府がやろうとしている裏に、その覚悟があるとは僕にはとても思えない。この戦争に「参戦」するかどうかは、内閣や国会や与党や野党がどうこうという問題ではない。これはすべからく国民全ての問題なのだ。本格的なテロが日本で勃発すれば、国民一人一人が血を流す可能性を持っているのだ。

自然災害に対する危機管理能力も寂しいこの国が、人災に対して万全の対策をとれるとは僕にはどうも思えない。今問われているのは、プライドの問題ではない。生死の問題なのだ。